お気に入りの絵をもっと素敵に!額装で広がるアートの魅力♪
絵を飾ってみたいけど、額装の方法がわからない、という方も多いのではないでしょうか?
お気に入りの絵や大切な作品、せっかくならもっと素敵に楽しみたいと思いませんか?
額装することで、絵の印象がグッと引き立ち、お部屋のインテリアとしてもより洗練された雰囲気になります。

自分で描いた絵や、お気に入りの絵を額に入れてお部屋に飾れると素敵だよね!
でも、どうやって絵を額に入れるといいのかな?



おしゃれな額装で、お友達に絵をプレゼントするのもいいかも♪
額装が上手にできれば、もっとアートを楽しむことができるわね!
額縁の色やデザインを工夫するだけで、クラシックにもモダンにもアレンジできるのが魅力です。
さらに、飾り方次第でお部屋の雰囲気をガラリと変えることも可能です!



額装初心者の方に向けた基本的な知識から、絵を魅力的に飾るポイントまでわかりやすく解説します!
絵を額縁に入れるメリットとは?


まず初めに、「どうして額縁に絵を入れた方がよいのか?」について考えてみましょう。
絵を額縁に入れるメリットは、いろいろあります。



絵を額装するメリットって何だろう?
額装することで絵を保護できる
水彩画の場合、紙に絵を描きますので、額縁に入れないと、紙のまま画鋲やセロテープなどで壁に貼り付けることになります。



壁に直接貼り付けると、大切な作品が傷んでしまいそうだね…



絵を額縁の中に入れて飾ることで、紫外線の防止や、埃や湿気によるカビの発生、虫食いができるなどのダメージを防ぐことができるのよ。
ガラス面(アクリル面)
紫外線カットの効果があるものも多く、絵を紫外線から守ってくれるので、色あせが防げます。
マット
額縁の中には、「マット」というシートを入れますが、このマットが湿気を吸収して作品の劣化を防いでくれます。
また、マットを入れることで、ガラス面と絵の間に空間ができますので、経年により絵の具がガラス面にくっついてしまったりするのを防ぐことができます。



額装することで、大切な作品を保護してくれるから安心ね!
額装することで絵を美しく引き立てる
作品と調和した額装により、作品を魅力的に見せることができ、額装が作品の価値を高めてくれます。
どの額縁を選ぶかにより、作品の印象も大きく変わりますので、飾る場所に合わせたり、作品をどう見せたいのか、額縁を選ぶ楽しさもありますね♪



額装することで、作品がグッと豪華に見えますよ。



額縁も作品の一部だと言えるかもしれないね。
一生懸命描いた作品だから、額装で立派に見えるとうれしいな♪
額装に必要なものは?


額装初心者の方は、額装するために何を準備すればよいのか、わからない方もいらっしゃると思います。
ここでは、額装のために必要なものを詳しく解説していきます。
額縁の中に入れるもの
以前は「ガラス」が多く使用されていましたが、現在はほとんどの額縁が「アクリル板」を使用しています。
アクリル板のメリット
軽い:持ち運びしやすい
割れにくい:地震などの災害の際にも割れにくい
紫外線のカット効果が高い:室内の紫外線を90%程度カットできる
マット
デッサン額に使用する、厚さ2mm前後の台紙です。マットを使用することで、作品を美しく引き立たせるとともに、作品を保護する役割もあります。マットには様々な色があるので、作品と調和する色を選びます。
作品を抑えるための緩衝シート(段ボールや発泡材など)
額縁の中の隙間を埋めて、作品を固定します。
マットに作品を固定するための専用テープ
セロテープやマスキングテープでも止めることはできますが、経年により、テープがボロボロになったり、テープの接着剤が染みてきて、作品にシミをつくったりしますので、額装専用のテープがおすすめです。
額縁(デッサン額)に入れる順番は?


額縁の正面から次のように順番に重ねていきます
①ガラス(アクリル板)
②マット
③絵(マットの裏にテープで固定します)
注意点
額縁の裏側に付いている「吊り金具」が、額縁の半分より上に付いている方 が上側です。絵を入れる時には上下を確認してから入れてください。
④緩衝材(段ボールや発泡シートなど)
⑤裏板
額縁の裏側に付いている「吊り金具」が、額縁の半分より上に付いている方が上側です。絵を入れる時には上下を確認してから入れてください。



こんな順番で入っているんだね!



この順番を覚えておけば、簡単にセットできるわね。
額縁の上下には注意して絵を入れてね!
額縁の紐の結び方
額縁の中に絵をセットしたら、額縁の裏板を「トンボ」と呼ばれる金具で固定して、額の裏側に紐を結びます。
安全に額縁を飾るために、紐は額縁用の紐を使ってください。
額縁を購入すると、紐が付属されている場合も多いので、額縁を購入された際には確認してみてください。


額縁の裏側には「吊り金具」が付いていますが、この金具が額縁の半分より上に付いている方が上側です。



紐の結び方はいろいろありますが、私がいつも使っている結び方をお伝えしますね。
また、ここでは、吊り金具が額縁の左右両側についている場合の紐の結び方を解説しています。
小さなサイズの額縁には、吊り金具が左右両側に付いていないものもあります。
<額縁の紐の結び方>
① 紐の片方を少し長めにして、紐を二つ折りにします。


② 左右どちらかの吊り金具に画像のように通します。


③ ②で通した紐を引っ張ります。


④ 長い方の紐を反対側の吊り金具に下記のように通します。


⑤ その紐を更に下記のように吊り金具に通します。


⑥ ⑤で通した紐を引っ張ります。


⑦ 紐をピンと張った状態で、もう1本の紐を巻き込んで団子結びをします。
注意点
紐を団子結びをする際は、左右どちらかに寄った場所で結びます。額の中央で結ぶと、絵を壁に掛ける際に結び目が邪魔になります。
注意点
紐の張り方が緩いと、額縁を壁に掛けた際に傾いたり、紐が見えてしまったりします。


⑧ ⑦で団子結びをした上に蝶結びをして、片方の紐を引き抜きます。
完成!!





できた!!



紐を結ぶ時のコツは2つあります。
1.紐はピンと張る
2.結び目は中央を避けて、左右どちらかに寄せて結ぶ



紐を結ぶ時のコツを知っていると、絵をおしゃれに飾れるね♪
額縁を壁に掛けるための道具



壁に額縁を掛ける代表的な方法は、2種類あります。
1.壁掛けフック
2.ピクチャーレールとワイヤー
ここでは、簡単に絵を掛けられる「フック」を使った方法をお伝えします。
フックは、釘1本・釘2本・釘3本で壁に取り付ける3種類の大きさのフックがあります。
※画像は釘2本で取り付けるフック(石膏ボードと木壁用)です。


額の重さにより、どの大きさのフックにするかを選択します。
重さの目安として
1Kg程度まで 1本釘のフック
3Kg程度まで 2本釘のフック
5Kg程度まで 3本釘のフック
フックを使って額縁を壁に掛けてみよう!


①額縁を掛ける位置を決める
額縁に通した紐の位置にフックがくるように位置を決めます。
額縁の上部の位置や、紐の位置などを、マスキングテープを使って壁に印をつけると作業しやすいです。
※額の重さで1㎝~2㎝くらい額縁が下がるので、位置決めの際に考慮してください。
②壁にフックを取り付ける
釘を斜め下に向かって打ち込み、フックを壁に取り付けます。



フックを左右に2個取り付けると安定しやすいです。
額縁の選び方


額縁の種類について
額縁の種類は用途に応じて様々ありますが、絵に関する代表的な額縁は、大きく分けて下記の3つです。
1.デッサン額
薄いものを入れる額。(目安として厚さが3ミリ程度までのもの)
例)水彩画・水墨画・版画・写真 など
2.油彩額
厚みのあるものを入れる額。
例)キャンバス・パネル
3.仮縁
ガラス(アクリル板)や裏板がなく、枠のみで作られた簡易的な額縁です。
キャンバスやパネルを展覧会や公募展に出品する際に使用します。



そのほかにも、メダルやユニホームなどの品物や、立体的な作品を飾るための「立体額」もあるので、用途に合わせて選んでね!
額縁の素材について
1.木
木目や色がそれぞれ違う天然素材なので、自然の美しさを楽しめる額縁です。
2.金属
アルミ素材を主として使用した製品が多く、耐久性が高い点がメリットです。
3.樹脂
合成樹脂素材で作られた額縁です。以前は見た目のクオリティで劣る部分がありましたが、現在はクオリティも段違いに高くなっています。ただし、デメリットとしては、強度が弱い点があります。
4.MDF
木質繊維に合成樹脂を加えて作られた素材です。メリットは、安価で、軽量、反りなどの劣化も起こりにくいです。リサイクル素材を使用できることも環境にとってメリットと言えます。



額縁の素材もいろいろあるんだね!
飾りたい作品や用途に応じて選ぶといいね。
額縁のサイズについて



額縁の種類により様々サイズがありますが、ここでは、水彩画に使用する「デッサン額」のサイズをご紹介しますね。



サイズ表にある「内寸法」って何だろう?



「内寸法」は額縁の中の寸法よ。
「裏板」のサイズと同じね!
■デッサン額 サイズ表
サイズ名称 | 内寸法(単位/mm) |
---|---|
インチ | 203×255 |
八切 | 242×303 |
太子 | 288×379 |
四切 | 348×424 |
大衣 | 394×509 |
半切 | 424×545 |
三々 | 455×606 |
小全紙 | 509×660 |
大全紙 | 545×727 |
版画判 | 334×486 |
横長小 | 333×758 |
横長大 | 450×900 |



たくさんサイズの種類があるんだね!



作品のサイズより大きなサイズの額縁を選んで、マットを入れます。マットのサイズの選び方は、次の章をチェックしてみてね。
額縁のおしゃれな飾り方とは


絵をおしゃれに飾るための額縁の選び方



額縁にもたくさん種類があって迷うな~



順番に考えていくといいわよ。
1.作品に合わせた種類・構造の額縁を選ぶ
水彩画の場合は、「デッサン額」を選びます。
2.作品のサイズを測る
作品の水彩紙の縦と横のサイズを測ります。
3.額縁のサイズを選ぶ
マットを入れることを考えて、作品より大きなサイズを選びます。
※マットのサイズについては次の「マットの選び方」を参考にしてください。
4.額縁の色やデザインを選ぶ
作品の雰囲気や飾るお部屋に合ったものを選びます。作品の中で一番目に留まる色と同系色にすると、しっくり落ち着いた雰囲気になります。
絵を魅力的に引き立てるマットの選び方



マットにも沢山種類があるんだねー



額縁同様、マットも選び方次第で作品を美しく、おしゃれに見せることができますよ♪
■マットの種類
台紙の上に、「紙」や「布」を貼ったものや、「面金」「面銀」など、マットの断面に金や銀の色が付いたものなどがあります。
■高級感を演出するマットとは
「エンボス加工」された紙マットは、平らなタイプよりも高級感を演出できます。また、布マットはボリューム感や温かさを演出することができます。
マットを二重にする「ダブルマット」も高級感があり、作品に奥行きのある額装になります。
■使いまわしやすいマットとは
白い紙マットはどんな作品にも合わせやすく、使いまわしができます。白にも「真っ白」と「アイボリー」がありますが、おすすめなのは「アイボリー」です。同じ額縁に作品を入れ替えて使う場合も重宝します。
絵が素敵に見える飾り方のポイント!



絵を飾ることで、お部屋の雰囲気も変わるね!



センス良く作品を飾ってお部屋をおしゃれに演出しましょう!
■額縁は目の高さに掛ける
目の高さに額縁を掛けるのは、作品を飾る際の基本です。
■壁の面積と額縁の大きさのバランスを考える
飾る壁の面積に対して額装品が大きすぎると窮屈で圧迫感を感じてしまいます。また、額装品が小さすぎても貧相なイメージになってしまいます。
■お部屋の家具とのバランスを考える
家具の色と額装品との色合いを合わせたり、重厚感のある家具の近くには同じようなテイストの額装品を飾るなど、家具との調和を考えて飾ります。
■複数の絵を並べて飾る
複数の絵を並べて飾るとおしゃれな印象になります。ただし、その際に気を付けるポイントがあります。
テイストや色の似た作品にする
例えば、植物の絵で揃えたり、同じような色の作品で揃えたり、額縁を同じもので揃えたりするなど、共通する複数の額装品を並べるのもおしゃれに見えます。
額縁を並べて掛ける際は、横や縦に並べたり、段違いに並べたりします。
段違いに並べる際には、1つの額縁の中心の高さにもう一つの額縁の一つの辺を合わせるとバランスよく飾れます。
まとめ
この記事では、額装の基本と、額縁をおしゃれに飾るコツについてお伝えしました。額装で作品の印象を大きく変えることもできることから、額装は作品の一部とも言えます。
絵を額装することで、あなたの作品を更に魅力的に演出できますし、作品をお部屋に飾ることで、創作意欲も高まりますよね!
額装でアートをもっと楽しんでみてくださいね♪